Exhibition

WONDERLAND(2023)

秋のアラスカ。
大自然に生きる野生動物を撮影しながらダルトンハイウェイを北上し、
北極海のシロクマに出会うべくセスナに乗ってカクトビックに降り立った。
その小さな村で過ごした、現地ガイドもイヌイットの人々も奇跡と呼んだ1日の記録。
それはまるでおとぎの国のお話。

 

National Geographic写真賞の受賞を機に、世界でも作品を発表し旅を続けている写真家 岡田裕介の新作作品展「WONDERLAND」を撮影したのは、遡ること10年前の秋のアラスカ・カクトビック村。

 

その日は、天気が良く凪いだ海は鏡のように空を映していた。 キラキラと輝く太陽を受けて泳ぐホッキョクグマの波紋だけが水面を揺らす。
「こんな良い天気はそうはないぞ」
イヌイットの船長の言葉を聞き、日没の時間にも船を出すことにした。
再び船を出したのは19時半。刻一刻と色鮮やかになる日没後の空。 ピンクの空に包まれてホッキョクグマが鯨の残骸に群がる姿は、この世のものとは思えず息をのんだ。 振り返ればオレンジに輝く海の中で親子が泳ぎ、海岸沿いで子どもたちが戯れ合って遊んでいる。 360度の極彩色の空は1時間半以上かけてゆっくりと濃紺の夜に溶けていった。
きっと天国とはこういう場所なんだろう…。

 

10年間発表を躊躇するほどの圧倒的光景を、カラー写真全30点の構成で初公開。

 

<作品展情報> 会期終了
岡田裕介作品展「WONDERLAND」

・東京会場
ソニーイメージングギャラリー銀座 2023年6月16日~6月29日

・京都会場
京都写真美術館 2023年7月4日~7月9日