Exhibition

Colors -ペンギン島の物語-(2019)

ペンギンたちの島フォークランド諸島。

青い海、白い砂浜。そこではキングペンギンの黄色い模様が一際映える。

よく見るポストカードそのものだ。

しかし、僕がファインダー越しに覗いたペンギンたちは、

朝焼けの柔らかなピンク
まるで雪のように輝く白
草原や岩肌を染める黄金

何色もの絵の具を落としたマーブル

そんな絵画のようなカラフルな世界の中で暮らしていた。

ペンギンたちに魅せられて、季節を変え3度長期滞在したフォークランド諸島。 人間は見渡す限り僕一人。100万羽以上のペンギンたちが暮らすこの島で彼らの生活に寄り添ながら、静かにシャッターを切る。じっと時間をかけて、様々なペンギンを追っていると、可愛いらしいだけではない胸が締め付けられるような光景も幾度となく目の当たりにした。

子供の為に険しい崖を血を流しながら必死に往復し、海へ捕食に向かう姿。別の海岸では突如現れたオタリアが一瞬にしてペンギンに食らいつく瞬間に遭遇し、シャッターを切りながら恐怖を感じた。

だからこそペンギンたちのコロニーでの生活、親子の営みに、強い命の輝きを感じ、同じに見える個体それぞれに個性豊かで愛らしい一つひとつの物語があることに気が付いた。

今回の写真展では、イワトビペンギン、キングペンギン、ジェンツーペンギンを、美しい色彩の中でポートレイトのように撮影した写真を中心に展示し、世代を問わず観る人に絵本のように親しみを持ってもらいたい。

そして観ていく中で、自分と重ね合わせてしまうような『愛の物語』を感じてもらえたら嬉しい。

 

<写真展情報> 会期終了
岡田裕介写真展「Colors-ペンギン島の物語-」
・富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2 2019年8月2日~8月8日
作品点数 : 半切・全紙・全倍以上・カラー・約60点

・巡回展
富士フイルムフォトサロン 大阪 2019年8月23日~8月29日
富士フイルムフォトサロン 福岡 2019年11月1日~11月6日
富士フイルムフォトサロン 名古屋 2020年1月10日~1月16日
富士フイルムフォトサロン 札幌 2020年2月21日~2月26日

・京都
京都写真美術館 2020年3月5日~3月15日

・長崎
長崎ペンギン水族館開館20周年記念企画 2021年3月20日~6月30日

 

岡田裕介 新作写真集刊行

「Penguin Being -今日もペンギン」

ネイチャーカメラマンでの岡田裕介氏が数年をかけて捉えた、

フォークランド諸島に住むペンギンたちの写真集。

「優しいけどそれだけじゃ腹は膨れない。愛嬌があるけどそれだけじゃ守れない。怖いけど飛び込まなきゃ夢は掴めない。」TAKURO (GLAY) あとがきより

日本から飛行機と船を乗り継ぎ11万マイル。フォークランド諸島に住むペンギンたち。 ネイチャーカメラマンであり、著名アーティストのライブ撮影も行う岡田裕介氏が、 数年をかけてペンギンのドラマを捉えた。
強く吹き荒れる砂塵の中を進む。ピンク色の空の下で恋をして、時に限りなく広がる 青い海に一人たたずむ。空は飛ばない。海は結構泳げる。二本足で歩く。彼ら一羽一羽 の物語を、岡田氏はポートレートを撮るように切り取った。
人が人を撮るのがポートレートなら、ペンギンのポートレートはペンギンが撮ったもの。 そう、この作品は、本当に人間が撮ったのか?と思うほどにペンギンの視点で描かれている。 ペンギンたちはとにもかくにも生きている。美しく厳しい自然の中で、世界の片隅で、 今日もペンギンたちは生きている。そんな彼らの姿に開くたびに優しい気持ちに、 明日を生きる活力をもらえるようなかつてないペンギンの写真集。
長年ライブ撮影を行うロックバンド・GLAYから、プライベートでも親交が あるTAKURO氏があとがきを執筆。

 

<写真集情報>
岡田裕介写真集 「Penguin Being -今日もペンギン-」

2019年7月20日発売
価格 1,540円(税込)
B5変型判 96p
出版元 : 株式会社玄光社